怒りやイライラを抑える考え方 怒りは自分を知り成長するために使おう

怒りやイライラを抑える考え方 怒りは自分を知り成長するために使おう

私は元々アメリカで学者になることを目指していました。心理学や社会学に興味があり、大学院で社会のことをあれこれ研究していました。当時を振り返ると、私はかなり疲れていて、それはなぜかというと怒りを原動力にしていたからです。大学院で研究をするためには、「怒り」のパワーがマストです。社会に対して「怒り」を感じなければ、「変えたい」という気持ちも起こりませんし、「変えたい、学びたい」というモチベーションにもつながりません。

大学院で同じ時期に学んだみんなはいつも怒っていて、プロフェッサーとバチバチやり合うような感じ。いつも誰かが誰かを批判するような緊迫感がありました。学問にはクリティカルシンキング(critical thinking 批判的思考 何事にも「それは本当か?」と考える癖をつけること)が必要で、特にアメリカの教育はクリティカルシンキングをするように訓練をすることに力を入れます。

皆の怒りすべてが「攻撃」という意味の「怒り」ではなかったものの、議論がヒートアップするとムッとする人はでるわ、攻撃的になる人はいるわ、泣きだす人はいるわで、なかなかストレスフルな大学院生生活を送ったものです(;´∀`)

しかし、今、私はあの情熱が懐かしくてたまりません。2020年、悲しいニュースや世界が動くニュースで溢れている。世界がおびやかされている、不安な状況であるにも関わらず人とは距離を取らなければならない。私は内向的な人間なので、ロックダウン(自粛生活)にあまり苦を感じていませんでしたが、自分の中に気がつかないうちに孤独感が蓄積していたのかもしれません。気がつくと人と会う機会が減った分、私の敏感さ(HSP気質)は研ぎ澄まされて、悲しいニュースに今まで以上に動揺するようになっており、今まで以上に感受性の豊かさに磨きがかかっていました。

 

そこで一旦私は、ニュースをシャットアウトすることにしました。SNSも疲れてしまったので一旦やめました。情報発信をやめました。

いきなり知らない人から「オバサン」って言われてびっくりしたよ!

ネットでは皆が皆を攻撃し合っていて、日本社会の誹謗中傷はものすごくて、皆がお互いをストレスのはけ口にしている。揚げ足を取ったり、攻撃するポイントを常に探しているような。コロナ禍でソーシャルディスタンスを取るようになり、ネットを見る時間が増えた人たちが増え、その人たちがネットで色々なソーシャルフィギュアに対してコメントをしたり批判したりすることが増えていく。

誰かが誰かを攻撃しているのを見ていられなくなって、人間に疲れてしまったような感覚でした。しかしずっと社会から身を隠している訳にはいきません。社会から離れていると、つまらないことしか言えなくなる自分に気がつきました(;´∀`) 自分とは違う考え方の人間をシャットアウトするのはとても簡単で、でも簡単なことばかりしていると無知になる。

楽なほうにいると無知になること、面倒でも考えること、考え続けることについて、こちらの本がマジでおすすめです

 

怒りは自分と社会との境界線を知るためのとても大事な感情です。怒ることを単に「悪いこと」「クレームつける」「文句を言う」「幼稚なこと」と捉えてしまうととてももったいない。今日はそんなお話をさせてください。怒りはインプット→アウトプット→フィードバックの成長ループに入るために必要な感情です。

怒りを学びに(インプット)


怒りを学び(インプット)に、とはつまり自分の怒りをまず感じることです。例えば、コンビニの店員さんの対応にイライラしたとします。その時は「なんだよあいつ、イライラするな」で済ませずに、その原因を深堀してみるのです。そうするとイライラした原因の可能性として

  • コンビニの店員さんはてきぱき働くべきである
  • コンビニの店員さんはもっと笑顔で楽しそうにするべき
  • コンビニの店員さんはもっと愛想よくするべき
  • コンビニの店員さんはもっと気持ちよくさわやかであるべき
  • コンビニの店員さんはもっと気を利かせねばならない

このようなことを思った可能性が考えられます。この場合、自分の仕事なんだからもっとちゃんとやれよ、と思ったからではないでしょうか。つまりこう感じたあなたは仕事をとても大切にして、真摯に仕事と向き合うことを大切にしていて、自分の役割を全うすることを大切にしているのではないでしょうか。

このように、怒りを感じた時には「イライラする」「ムカつく」で終わらせずに、その原因を深堀してみると新たに自分の価値観に気がつくことができたり、自分が大切にしていることを再確認することができます。

秋元康さんは時々わざと嫌いな人と食事をして、「あ、やっぱり俺はこいつのことが嫌いだ」と再確認することで自分がブレていないか確かめるという話をどこかで読んだことがあります。

イライラしたら、その原因は何なのか考えてみること、そしてその学びを次は行動に繋げてみてください。

怒りを行動に繋げる

上記の例を取ると、つまりあなたは「仕事人は相手に不愉快な思いをさせることなく、スムーズに、気の利いた対応をする」ことを大切にしているのです。ここで生まれた学びを行動に移すとそれば、例えば、お客様と一緒の時はてきぱきする、はきはき返事をする、目を見て対応する、など、自分がされて嫌だったことをしない、という学びから自分がして欲しいサービスを相手に提供することを意識して行動していくことに繋がります。

怒りやイライラの波に飲まれずに、論理的に、なぜ自分がイライラしたのか、なぜ怒りを感じるのかを分析し、事態を変えるべく行動に移す。このように自分の内に怒りが芽生えたら上手に利用して成長機会に繋げられるといいですね。

怒りが抑えられない、イライラしたら瞬間的に頭がそのイライラに囚われてしまう、イライラが抑えられずに行動してしまい後で後悔することが多いという方はまず深呼吸して、何か行動を起こす前に6秒だけ待ってください。相手を責めるためではなく、「じゃあ自分はどうするか?」「じゃあ自分はどんな風に生きていきたいのか」そう、考えるチャンスとして怒りやイライラを捉えてみてください。

更なる学びを引き寄せる

行動していると、フィードバックをもらうようになります。あなたのそういうところが素敵だね、と言ってくださる方や、もう少しこうしたほうがいいんじゃないかとご意見くださる方、仕事であればクレーム(相手からの怒り・イライラ)が来た時は成長・変化のチャンスです。

自分の怒りの性質やどんなことが許せなくてどんな時にイライラしてしまうのかを理解することができれば、ではどうすればいいのかをより深く研究したくなるでしょう。誰しもイライラしたくてする訳ではないし、怒りたい訳でもない。不快を少しでも和らげるために、自分のこころを知ることができるような心理学の本やコミュニケーションの本を読んだり、セミナーに参加したり、そこで得た学びを元にまた実践してみては、上手く行ったこと・上手く行かなかったことを経験として蓄積し、またそこから学びにつなげていく。

己の怒りを知ることは、自分を知ることです。

怒ることを単純に「いけないこと」「ダメなこと」「ダサいこと」「めんどくさいと思われる行動」と”ネガティブ”に捉えずに、自分を知ることだと捉えてみてください怒りがなければ、私たちは社会と自分の境界線を引くことができません。すべてを許せば、自分は無くなり、自分の意見もなくなってしまいます。「怒らない」「イヤな気持ちにならない」というのは「どうでもいい」「物事にあまり関心がない」「無気力」と言える場合もあります。

怒りやすいということは「人生を、人を、社会を、自分を、より良くしたい」という気持ちの表れです。

まとめ

怒りの感情は、飲み込まれて制御不能になってしまうと自分に不利な方へ自らを突き動かしてしまいます。スターウォーズでもダークサイドにアナキンが落ちてしまいましたが、アナキンも元々は愛の戦士です。愛ゆえに怒りを覚えて、怒りに飲まれてしまいました。しかしアナキンが強くなったのもまた、怒りという原動力があったから。原動力(怒り)が強かったから、彼は行動したのです。

自分の中の怒りと上手く付き合っていきたいですね。

 

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